あらすじ

坊ちゃんのあらすじ・ネタバレ!考察やポイントも解説/夏目漱石

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オーディオブックの魅力や使い方を徹底解説

坊ちゃんは日本を代表する小説家のひとり、夏目漱石の初期の作品であり、タイトルを聞いた事がある人も多いと思います。

しかし内容は知らない方も多く、教科書で一部を読んだという方でも、作品を全て読んだという方は、意外と少ないのではないでしょうか。

表現や言い回しなどが現代文とは少し違うために、今まで敬遠していた人にも、坊ちゃんの良さを分かりやすく解説したいと思います。

そんな坊ちゃんのあらすじやポイントを簡単にまとめました。

「坊ちゃん」とは?

「吾輩は猫である」に続く、夏目漱石の二作目の作品です。

東京出身の夏目漱石が、愛媛県の中学校に英語教師として赴任した経験をもとに書いたといわれる中編小説が「坊ちゃん」です。

作者の夏目漱石は帝国大学(現在の東京大学)で英文学を学び、イギリスに留学した後は帝国大学の講師を努めました。

その後、明治後期・大正時代に活躍した小説家、評論家英文学者でもあります。

日本を代表する作家の一人で、かつては千円札の肖像にもなった人物です。

坊ちゃんはそんな夏目漱石の作品の中でも娯楽要素が多く、大衆的な作品として現在も高く評価されています。

坊ちゃんの主要登場人物

坊ちゃん 主人公。まっすぐで短気。よくもめ事を起こすので家族と仲が悪い。
坊ちゃんの家の下女。坊ちゃんを可愛がって、色々と世話を焼いてくれる。
山嵐(堀田) 坊ちゃんと同じ数学の教師。正義感が強く主人公の味方。
赤シャツ 教頭。いつも赤いシャツを着ている。物腰は柔らかいが卑怯な性格。
野だいこ(吉川) 画学の教師。赤シャツの腰巾着。
うらなり 英語の教師。大人しく、婚約者のマドンナを赤シャツに奪われた
マドンナ うらなりの元婚約者だが、今は赤シャツと交際している。
校長。

坊ちゃんの簡単なあらすじ

東京で育った坊ちゃんは、子供の頃からまっすぐな性格と、無鉄砲でいたずら好きな子供でした。

そんな主人公が教師となって愛媛に行き、自分の正義を貫くために奮闘する物語です。

同僚や生徒からの嫌がらせを受けながらも、自分の正義を信じて立ち向かっていきます。

数少ない味方と共に戦っていきますが、、結果的には教師を辞めることになります。

東京に戻った後は、自分の理解者と慎ましくも幸せに暮らします。

坊ちゃんの起承転結

【起】坊ちゃんのあらすじ①

主人公の坊ちゃんは、子供の頃から無鉄砲でいたずらばかりして、親や兄からは冷たく扱われていました。

下女として働いていた清だけは、主人公のまっすぐな性格を褒めとても可愛がってくれます。

その後、両親が亡くなったことで、兄は家を売り払って九州に行きました。

主人公は、兄からもらったったお金で下宿しながら3年間、物理学校に通いました。

そのため、清とは別々に暮らすことになるのです。

主人公が学校を卒業して愛媛の松山に中学校の数学教師として赴任することになり、清と別れを告げました。

【承】坊ちゃんのあらすじ②

松山に行った主人公は中学校に赴任し、個性的な校長や教師たちと知り合います。。

その中でも、同じ数学教師の山嵐と仲良くなって、下宿先を紹介してもらいました。

知り合った教師たちにあだ名をつけ、松山の様子を清に手紙で知らせ、新生活をスタートしました。

主人公が、天ぷらそばを4杯も食べている所を生徒に見られて「天ぷら先生」とあだ名をつけられたり、宿直室の布団にイナゴを入れられたり、と周囲からのいたずらが絶えません。

問いただしても、いたずらを認めようとしない生徒たちの態度を、主人公は許せませんでした。

ある日、赤シャツに釣りに誘われてついていきます。

そこで赤シャツと野だいこの会話から、生徒をそそのかして主人公にいたずらをさせている人は山嵐なのではと疑いを持つようになるのです。

【転】坊ちゃんのあらすじ③

山嵐から身に覚えのない理由で下宿を出るようにに言われて、山嵐との関係が悪くなりました。

その下宿先で、マドンナは赤シャツと交際しているが、実は、うらなりからマドンナを奪ったこと、赤シャツがうらなりのことを邪魔に思い、転勤させることなどを知らされます。

そんな事実を知った山嵐は、校長の狸に抗議しました。

それをみた赤シャツは、山嵐のことまで敵意を持つようになったのです。

主人公は、さまざまな事情を知るにつれ、何が正しいのかを考えます。

ある日山嵐が、下宿を追い出した理由は、下宿主人の作り話だったことを伝え、主人公に謝って仲直りしました。

そこで主人公は、山嵐と共に赤シャツをこらしめるために計画を立て始めます。。

【結】坊ちゃんのあらすじ④

中学生と師範学校生のけんかに主人公と山嵐は巻き込まれてしまいます。

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二人は喧嘩を止める事ができませんでした。

主人公は処罰されませんが、赤シャツから嫌われていた山嵐は、責任を取って辞職させられます。

主人公は山嵐と共に、赤シャツ、野だいこの夜遊びを見張り、朝帰りする所に乗り込んで二人をなぐってこらしめました。

しかし、山嵐が学校を辞めるので、主人公も共に学校を辞めて東京に帰ります。

東京では鉄道技師として働き、立派な家ではありませんが清が肺炎で亡くなるまで、二人で暮らしました。

坊ちゃんの解説(考察)

作者の夏目漱石は東京出身で、松山に教師として赴任した事もあり、当時の東京と地方の状況をそれぞれ肌で感じていました。

当時は文明開化が進んでおり、資本主義、権威主義が、それまであった道徳や価値観にとって代わっていきつつあるような状態でした。

時代の変化は東京だけでなく、地方を含む日本中に歪みをもたらしていたと考えられます。

近代化に伴い武士に限らず、平民も出世の機会が与えられる時代になりましたが、それは赤シャツの様な大学を出ている人物が大きな顔をする学歴重視、出世重視の社会にも通じます。

作中でも宿屋の女将が言う様に、出世する方が偉い、給料が高い方が偉いという風潮が広まっていました。

権力に従わず、道理を通そうとする坊ちゃんや山嵐の様な人達は追いやられていきます。

権力の理不尽さ、それに抗って自分を通して生きる事の難しさが作品の中で語られています。

坊ちゃんの作者が伝えたかったことは?

作者の夏目漱石は様々な価値観の変化があっても、愛情は不変だと言う事を伝えたかったのではないでしょうか。

親に愛情を注がれなかった坊ちゃんに、清だけが愛情を持って接してくれます。

主人公は松山で赤シャツ達の権力者に立ち向かい、敗れて東京に戻りますが、再び清のもとに戻ることで穏やかに暮らすことができました。

清と暮らす最後が描かれる事で、主人公は赤シャツに負けたものの、ハッピーエンドを迎えられたといえます。

坊ちゃんの3つのポイント

ポイント①社会・権力への抵抗

主人公は松山で生徒や下宿の主人といった、作中で言う「つまらん所」の人々、赤シャツや狸といった権力者達に振り回されます。

そんな状況の中で、主人公は誰が味方かも分からなくなり、周囲に流されそうになりながらも、自分が正しいと思う事を実現するために奮闘します。

しかし、赤シャツや狸によって物事が決められ、自分の正義を実現する事はできませんでした。

それでも最後まで自分の意思を貫いて行動する姿は美しく映ります。

ポイント②正義は勝つといえない結末

最終的に坊ちゃんと山嵐は赤シャツと野だいこをなぐって懲らしめる事に成功します。

ここだけを見れば正しいことをして勝った、とも思えますが、山嵐はその時点で既に学校をクビになっているのです。

そして、坊ちゃんも赤シャツ達をなぐった責任を取って学校を辞めます。

結果として学校に残ったのは、坊ちゃんが悪と考える赤シャツや野だいこといった権力者と、その取り巻く人物です。

ただ悪者をこらしめただけでは終わらないところが、私たちに多くの事を考えさせてくれます。

ポイント③清の愛情

物語の中で語られている坊ちゃんの性格はまっすぐ過ぎ、ある種の社会不適合者とも言えます。

しかし、序盤から語られている清の坊ちゃんに対する優しさ、坊ちゃんが松山で暮らす中でも時々思い出す清への思いが最終的に坊ちゃんを社会へと繋ぎ留めます。

この愛情にもとづく関係性がなければ、坊ちゃんは学校を辞めた後、鉄道技師として再就職する結果はなかったかもしれません。

東京に戻ったら下宿にも行かず真っすぐ清の所に行き、その後清と暮らす最後は、社会と坊ちゃんを繋ぐ役割を清が担っていたとのだと感じさせます。

坊ちゃんを読んだ読書感想

松山での生活は山嵐やうらなりといった、さまざまな人との出会いや交流、けんかなど冒険的な要素があり、痛快な気分にさせてくれました。

坊ちゃんと山嵐、うらなりといった仲が良い人達も松山を離れる点は、手放しに喜べない所もありますが、清と一緒に暮らすという穏やかなラストは読み終わった後も、すがすがししく感じます。

時代の変化から起こる様々な摩擦、権力への抵抗といった現代にも通じる問題が垣間見え、娯楽小説から一歩踏み込んだ、作品の深みも感じました。

坊ちゃんのあらすじ・考察まとめ

主人公のまっすぐな性格が巻き起こす様々な騒動と個性的な登場人物とのやりとりが、全体を通して軽妙な語り口で書かれています。

同時に権力の横暴、権力に従わなければいけない人達の姿も描かれていますが、時々出てくる清の存在がすがすがしく、あまり深刻さを感じさせません。

都会と地方が互いに持つ偏見、文明開化による変化が生み出す社会の歪みが、登場人物を通して書かれており、作者から自分たちへ課題を投げかけているようです。

この課題と、清の愛情で作品全体を包む安心感が、ただの大衆小説にはない余韻を作品に与えており、現代まで人気がある理由ではないでしょうか。

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