あらすじ

ライ麦畑でつかまえてのあらすじ・ネタバレ 感想や考察を徹底解説/J・D・サリンジャー

ライ麦畑でつかまえて あらすじ・ネタバレ

『ライ麦畑でつかまえて』は青春小説の古典として知られている本です。

「新海誠監督のアニメ映画『天気の子』の作中に登場」したり「全世界の累計発行部数が6500万部超え」など話題の多い作品です。

そんな『ライ麦畑でつかまえて』ですが「読んだことがない」「読んだことはあるけど内容をあまり覚えていない」という方も多いのではないでしょうか。

私自身、この本の存在を知ったのは学生の頃で「麦畑で昆虫でもつかまえる話なのかな?」と思いあまり興味がわかず手に取ることはありませんでした。

しかし、その後ふと書店で目に入り、読んでみたところ「もっと早く読んでおけばよかった!」と後悔するくらい良い作品だということに気づきました。

大人になった今読んでみても、「思春期の頃に抱いていたモヤモヤを思い起こされ懐かしい気持ち」になれる小説です。

この記事ではそんな『ライ麦畑でつかまえて』のあらすじや感想から考察まで徹底的に解説していきます。

「ライ麦畑でつかまえて」とは?

 

作者名

J・D・サリンジャー

発売年

1951年

ジャンル

青春小説

『ライ麦畑でつかまえて』の作者J・D・サリンジャーのプロフィール(1919〜2010)

ニューヨークのマンハッタンで生まれ、父親は貿易会社を経営しており裕福な家庭に育つ。

学生時代から雑誌に小説を寄稿し始めます。

太平洋戦争では志願して陸軍に入隊、ノルマンディー上陸作戦にも参加した経歴があります。

帰国後、本格的に作家として活動し才能を開花させます。

作品は高く評価されハリウッドで映画化をされた事もありました。

ところが作品の出来に不満があり、それ以降映画化をされる事はなくなりました。

作家として成功し人々の注目を集める様になると、喧騒を嫌う作者は田舎に移住して作品作りに没頭する生活を送る様になりました。

1965年に発表した作品が最後となり、作家としては事実上引退状態になります。

晩年は人前にでることなく静かな暮らしで余生を過ごしました。

【代表作】

  • ライ麦畑でつかまえて(1951年)
  • ナイン・ストーリーズ(1974年)
  • フラニーとゾーイー(1961年)

ライ麦畑でつかまえての特徴

『ライ麦畑でつかまえて』は『The catcher in the rye』という本を日本語訳したものです。

1951年にリトル・ブラウン社から出版されました。

日本ではこれまでに4人に翻訳されています。

  •  「危険な年齢」橋本福夫、1952年、ダヴィッド社
  • 「ライ麦畑でつかまえて」野崎孝、1964年、白水社
  •  「ライ麦畑の捕手」繁尾久、1967年、英潮社
  •  「キャッチャー・イン・ザ・ライ」村上春樹、白水社

全世界の累計発行部数が6500万部を超え、現在も年間25万部ペースで売れ続けており、国内でも累計320万部を超えています。

しかし、カリフォルニア州の教育委員会が本書の内容を問題視し、学校や図書館では扱われないという事もありました。

ライ麦畑でつかまえての主要登場人物

 

ホールデン・コーンフィールド

主人公の16歳の少年。全寮制のペンシー高校を退学になる。

ジェーン・ギャラハー

ホールデンの幼馴染。ストラドレーターとデートした事に激しく嫉妬するなど、好意を匂わせる。

フィービー

ホールデンの妹。賢くおませな女の子。ニューヨークの小学校に通っている。

ライ麦畑でつかまえての簡単なあらすじ

全寮制のお坊ちゃま学校、ペンシーに身を置いているホールデンは周囲に馴染むことができませんでした。

たばこを吸いお酒を飲み、抑えがたい性への欲求を持て余している、どこにでもいる高校生です。

しかし、これまでに3校を退学になっている様でなかなかの問題児でもある様です。

そんなホールデンは成績不良でペンシー高校も退学になってしまいます。

ホールデンは高校を退学した事を両親に伝える事ができないので実家には帰れず、しばらくニューヨークのホテルに滞在することにします。

そして都会で孤独を感じたホールデンは、とにかく誰かに会いたくてかつての友人たちに連絡します。

うまく周囲と合わせることのできないホールデンは孤独感を募らせていきます。

そして、特別な存在である妹のフィービーに会う為に実家に帰ることにします。

そこでの会話を通してホールデンは、初めて自身の本音にたどり着くことができます。

16歳の等身大の自分に出会い、本当に自分が求めているものを見出すことができるのです。

ライ麦畑でつかまえての起承転結

【起】高校からの旅立ち

ホールデンはペンシー高校を成績不良で退学処分を受け、世話になったスペンサー先生の家に別れの挨拶に訪れます。

ところが感傷的な別れとはならず、テストの答案に対するうんざりする様な説教を聞かされるはめになってしまいます。

やりきれない気持ちで寮に戻ると、ルームメイトのストラドレーターに作文の代筆を頼まれます。

それを引き受けたホールデンは主題を無視し、弟のアリーとキャッチャーミットについての作文を書いてしまいます。

幼馴染のジェーン・ギャラハーとのデートを終えて帰宅したストラドレーターはそれをみて怒ります。

しかし、幼馴染とデートをした事にヤキモチを焼いたホールデンは反発し喧嘩になり、殴られてしまいます。

そして、ホールデンはその日に学校を出て行くことを決心します。

【承】ニューヨークのでの出来事①

ニューヨークへ向かう電車の中で同級生の母親に話しかけられます。

自身の境遇を聞かれると面倒な事になると思い嘘をついてやり過ごします。

退学になった事のバツの悪さから実家には帰れないとホールデンはニューヨークのホテルに滞在する事にします。

自由な身になりセクシーな気分になった若者は欲望を満たす為の相手を求め、知り合いのストリッパーに連絡をとるのですが断られてしまいます。

そこでホテルのバーに行きシアトルから来た3人組の女性をナンパします。

ところが、田舎者とバカにしていた女にもあしらわれてしまい、やきもきした気持ちだけが募ります。

部屋に戻ろうとするとエレベーター・ボーイに売春婦を勧められます。

5ドルで承諾し売春婦を部屋に招き入れるホールデンでしたが、都会の人々と接して憂鬱な気分になっていました。結局、何もせずに売春婦を帰らせます。

ところがその後にエレベーター・ボーイが部屋を訪れ10ドル払えと因縁をつけられます。

抵抗虚しく結局5ドルを巻き上げられてしまいます。

悔し泣きをするホールデンはエレベーター・ボーイに「低能野郎」と負け惜しみを言いますが殴られてしまいます。

【転】ニューヨークのでの出来事②

翌日、女友達のジェーン・ギャラハーを観劇に誘います。

ブロードウェイに向かう道中、裕福そうではない家族とすれ違います。

子供が「ライ麦畑でつかまえて」と歌っている姿を見て晴れやかな気分になります。

芝居を観た後にお酒を飲みに行きますが、そこで芝居を酷評し、日頃の鬱憤を吐き出すホールデンにサリーは嫌気がさし口論になってしまいます。

しまいにはジェーンを泣かせてしまい喧嘩別れをしてしまいます。

気分の落ち着かないホールデンはフートンスクールで一緒だったカール・ルースに電話をかけて会うことにします。

そこでも挑発的な言動をしてしまい帰られてしまいます。

【結】フィービーとの語らい

都会で疎外感を募らせたホールデンは、妹のフィービーに会うために実家に帰ることにします。

感の鋭いフィービーは退学になった事を見抜きます。

そしてホールデンの好きな事、将来の事などを問いただします。

そこで初めて自身と向き合ったホールデンは一つの答えを出します。

先ほど街中で子供が歌っていた「ライ麦畑でつかまえて」という歌詞を引き合いにだし、「広いライ麦畑で遊んでいる子供たちが走り回って崖から落ちそうになったら捕まえてあげる役になりたい」と。

両親が帰宅しホールデンは実家を後にします。

その日はかつて通っていた高校のアントリーニ先生に電話をかけて、今日の宿を提供してもらうことにします。

その夜、ホールデンが眠っているとアントリーニ先生に頭を撫でられていることに気がつき目が覚めます。

その行為に驚いたホールデンは家を飛び出します。

あらゆる他者に絶望したホールデンは、誰とも関わらないで生きることを考えます。

西部の町で聾唖者のふりをしてガソリンスタンドで働いて暮らそうと思い立ちます。

最後にフィービーにだけは別れを告げようと美術博物館で待ち合わせます。

現れたフィービーはホールデンと一緒に西部に行くつもりでカバンに着替えを詰めてやってきました。

一緒に行くと引かないフィービーをなだめ、計画はご破算にするといってと動物園に連れて行きます。

そこで回転木馬にのるフィービーを見ていると叫びだしたくなるほど幸福な気持ちになっている自分に気がつきます。

そしてホールデンは家に帰ることにするのです。

ライ麦畑でつかまえての解説(考察)

世の中とうまく折り合いをつけられないホールデン。

他者に毒吐いたり、挑発的な言動をとってしまいます。

世の中のインチキさ、不誠実さを見抜けてしまうからこそ、その中に溶け込むことができないでいるのでしょう。

一方で、完全に拒絶している訳でもありません。

ニューヨークに滞在した2日間でも常に他者を求めているのです。

都会の人々と接しているうちに葛藤を抱えた彼はどんどん擦り減っていきます。

やはり自分は馴染めない世界なのだと考え、絶望します。

そして耳が聞こえないふりをして「他者と隔絶した世界に生きる」という極端な考えに至るのです。

そんなホールデンの唯一の救いはフィービーの存在でした。

彼女だけは無垢な信頼の置ける安心できる存在です。

フィービーにだけは嘘をつけないホールデン。

彼女との語らいの中で本来の自分を自覚していきます。

そして回転木馬にのるフィービーを見ていると、心が穏やかになっていく自分に気が続くのです。

もはやどこか遠くへ行く必要はないと理解します。

心穏やかになれる事がわかったのですから。

ライ麦畑でつかまえての作者が伝えたかったことは?

答えのない思春期の悩みに対する作者なりの回答を示してくれたのではないでしょうか。

それは明確な回答ではなく、いろいろな人と接する事、経験をする事、それを受けて自分の内面と問答してたどり着くものだと感じ取ることができます。

それは大層な答えである必要はなく、身近にある当たり前のことだったりもするのだと。

そして、このことから「肩肘張らずに、気楽に生きて欲しい」と言いたかったと

とても優しい物語だと思いました。

ライ麦畑でつかまえての3つのポイント

ポイント①爆笑問題の太田光さんもオススメ

爆笑問題の太田光さんはサリンジャーのファンで「フラニーとゾーイー」が思春期の自分を救ってくれたと絶賛しています。

ポイント②2人の翻訳者

同じ出版社から2人の訳本がでているという珍しい状況になっています。

読み比べてみて、違いを発見するのも面白いのではないでしょうか。

ポイント③「天気の子」にも登場

新海誠監督のアニメ映画「天気の子」の作中に本書が登場します。

家出をした主人公の高校生が所持している描写があります。家出少年のバイブルとったところでしょうか。

ライ麦畑でつかまえてを読んだ読書感想

若者らしい生意気で馴れ馴れしい口調で話しかけられるので、最初は拒否反応がでるかもしれません。、

しかし、根はいい奴なのできっと好きになることができると思います。

青春小説ですが大人になっても読めるのはかつての自分がそこにいるからだと思います。

解消されない漠然とした不安や違和感、苛立ち、絶望した事を覚えているからでしょう。

「ライ麦畑のキャッチャー」になりたいというのはとても優しい男の子の発想だと思いました。

「現実を見ていない夢見がちな若者の戯言」で、それが馬鹿げた事だとは自覚しています。

その上でただただ誠実でありたいという思いは、都市生活者の若者にとって根源的な欲求だと思います。

ライ麦畑でつかまえてのあらすじと考察のまとめ

大人になって読むと「そんな頃もあったなぁ」と、どこか気恥ずかしく感じてしまう自分もいました。

そんな私はすっかり大人になってしまったという事でしょう。でも、ホールデンの気持ちとってもよく解ります。

無垢であり続ける事は難しいけど、世の中を受け入れていく事もそんなにダサい事ではないですよね。

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