あらすじ 芥川龍之介

蜘蛛の糸のあらすじとネタバレ 読書感想から考察まで徹底解説/芥川龍之介

「蜘蛛の糸」とは、あの芥川賞で有名な作家である芥川龍之介による短編小説です。

生前、悪事を働いたことで地獄に落ちた男と、男に慈悲を与えたお釈迦様の物語です。

教科書にも掲載されており、深く考えさせられるこの作品。

果たして、「蜘蛛の糸」は何をテーマとした作品なのでしょうか?

そして、この物語の教訓とは?

作者がこの作品を通して伝えたかったことは?

今回は、そんな「蜘蛛の糸」のあらすじや感想から考察までを詳しく解説していきます!

「蜘蛛の糸」とは?

「蜘蛛の糸」とは、芥川龍之介による短編小説です。

教訓となる物語である作品として有名ですが、実はもとになった作品がいくつかあるといわれているんです。

ポール・ケーラスの「カルマ」、ドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」などに着想を得ていると考えられています。

2011年には映画化もされており、同じく芥川の「煙草と悪魔」「アグニの神」という作品が話に盛り込まれています。

作者名

芥川龍之介

発売年

1981年

ジャンル

短編小説

時代

不明

芥川龍之介のプロフィール

「蜘蛛の糸」の作者である太宰治は、明治25年7月24日に東京で生まれました。

幼少期は、母親の病気のため母方の芥川家へ預けられていました。

母親が亡くなってからは叔父の養子となり、芥川の姓を名乗るようになりました。

成績は極めて優秀で、難関の東京帝国大学英文科への進学を果たします。

在学中には、菊池寛や久米正雄とともに「新思潮」を刊行しました。

23歳の時には、あの有名な「羅生門」を発表するなど、優れた才能を持っていたことがわかります。

蜘蛛の糸の特徴

「蜘蛛の糸」は、死後の世界を舞台にした物語です。

地獄に落ちたある男と、極楽にいるお釈迦様が主な登場人物であり、作品の長さとしては短いものとなっています。

主人公の男の行動を自分になぞらえることで考えさせられることが多く、小学校の教科書にも掲載されている作品です。

いわゆる教訓的な一面が強い作品であるため、読む人の年齢や環境によってはとらえ方が異なるかもしれません。

蜘蛛の糸の主要登場人物

カンダタ

主人公。生前は大悪党として悪事を働いており、地獄に落ちた。

お釈迦様

極楽にいて、地獄を観察している。

蜘蛛の糸の簡単なあらすじ

ある日、極楽にいるお釈迦様が蓮池の周りを散歩していました。

池の中をご覧になると、カンダタという悪人が血の池で苦しんでいます。

悪行を尽くしたカンダタですが、生前に一度の善行を行っていました。

お釈迦様は慈悲を与え蜘蛛の糸をたらし男を救おうとしますが、他の罪人が男に近づいてきた。

「この糸は俺のものだ」と男が喚くと、蜘蛛の音はぷつりと切れてしまいました。

それを見ていたお釈迦様は悲しそうな顔をして散歩へと戻るのでした。

蜘蛛の糸の起承転結

【起】蜘蛛の糸のあらすじ①

ある日のこと、極楽にいるお釈迦様が蓮池の周りを散歩していました。

池の中に咲く蓮の花は見事に咲いており、極楽はちょうど朝になる頃でした。

ふとお釈迦様が池の中をご覧になると、下に見える地獄では悪人たちが蠢いていました。

その中にはカンダタという罪人が、他の悪人と同じように血の池で苦しんでいました。

カンダタは、生前人を殺し、家に火をつけるなどの悪事を働いた大泥棒でした。

地獄に落ちるのも当然といえる罪人ですが、それでも生前に一つだけ善い行いをしていました。

【承】蜘蛛の糸のあらすじ②

その善行はというと、小さな蜘蛛を踏み殺さずに助けてあげたことでした。

ある日、深い林の中を男が歩いていた時のことでした。

一度は踏み殺そうとした蜘蛛に、「小さくも命があるものだ、むやみに奪うのはかわいそうだ」と思い、踏みとどったのです。

お釈迦様はこの行いを思い出し、この報いとして男を地獄から救い出そうと考えました。

極楽にいる一匹の蜘蛛がかけた美しい銀色の糸を取り、お釈迦様は地獄の底へまっすぐとおろしました。

【転】蜘蛛の糸のあらすじ③

カンダタは恐ろしい血の池地獄で、他の罪人と真っ暗な地獄の中をもがいていました。

ところが、一筋の銀色の蜘蛛の糸が自分の上へと垂れてくるのが見えました。

カンダタはうまくいけばここから抜けられるかもしれないと、蜘蛛の糸をつかみ上へと登り始めました。

上へと登り続けていると、ふと下の方から他の罪人たちがよじ登ってくる様子が見えました。

糸が切れてしまうことを恐れたカンダタは、「この糸は俺のものだ」と大きな声で喚きました。

【結】蜘蛛の糸のあらすじ④

その途端、糸はぷつりと切れてしまいカンダタは真っ逆さまに落ちていきました。

お釈迦様はその様子を極楽からじっと見ていました。

カンダタが血の池の底へ沈む様を見ると、悲しそうな顔をして散歩へと戻りました。

自分だけが救われようとする無慈悲な心を見せたカンダタが、あさましく思えたのかもしれません。

そんなことがあっても、極楽の蓮の花は変わらずに美しく咲いています。

花の何とも言えない良い香りが絶え間なくあふれています。

極楽は、もう昼になる頃です。

蜘蛛の糸の解説(考察)

地獄に落ちたカンダタに、お釈迦様は一筋の救いを与えました。

それは正に一世一代のチャンスであり、カンダタに訪れた最後の救いでした。

しかし、カンダタは地獄から出ることはできませんでした。

美しく優雅な極楽の様子と比例して、地獄の状況は悪夢のようです。

最終的にお釈迦様から見たカンダタは、悪夢の象徴ともいえる人物だったのかもしれません。

蜘蛛の糸の作者が伝えたかったことは?

最後に大きな欲を見せたカンダタが、救われることはありませんでした。

救いの蜘蛛の糸を見つけたカンダタは大喜びで登っていきますが、糸が切れた後はただ落ちていくだけです。

その時の彼の心情は予測することしかできませんが、恐らく後悔の念が残ったのでしょう。

自身の行いや、染みついた人間性から生まれる失敗や後悔は、救いようがないことを伝えたかったのではないでしょうか。

カンダタの行動や心情に関してはよく教材の指導案にも活かされており、様々なとらえ方をすることができます。

蜘蛛の糸の3つのポイント

ポイント①なぜ、蜘蛛の糸は切れたのか?

お釈迦様が地獄へと垂らした蜘蛛の糸はぷつりと切れてしまいました。

下から登ってきた、罪人たちのせいではありません。

カンダタの放った自己中心的な台詞によるものだと考えられます。

救いの糸は、悪人の中に見えたわずかな善の行いから与えられたものでした。

その行いすらもかき消してしまう、カンダタの悪の心がやり直せるチャンスをも奪ってしまったのでした。

ポイント②カンダタは、根っからの悪人なのか?

カンダタは多くの罪を犯しながらも、一度だけ善い行いをしています。

それは、蜘蛛を一度は踏み殺そうとしたが、思いとどまったということでした。

ここで考えたいことは、カンダタは最初から蜘蛛の命を救おうとしていたわけではないということです。

蜘蛛を踏み殺さなかったことは気まぐれともいえ、善の心が備わっていたとは考えにくいです。

ここに関しては、読者によって考察が分かれる部分かと思います。

ポイント③もし、あのまま蜘蛛の糸が切れなかったら…?

あのまま糸が切れなければ、カンダタは極楽へと行けたのでしょうか。

お釈迦様はカンダタを試したと考えられますが、ひょっとすると極楽へ導くつもりもなかったのかもしれません。

いくら一度の善行があったとはいえ、カンダタの過去の罪悪が消えるわけではありません。

お釈迦様はカンダタの人間性から、極楽までたどりつけないことを分かっていたのではないでしょうか。

最後に見せた悲しそうな顔は、「やはりそうだった」と思う気持ちから見せた表情かもしれません。

蜘蛛の糸を読んだ読書感想

悪人は一度の善行を見せたとしても、根っからの人間性は変わりません。

本当に救われようとするならば、日ごろからの行い・考え方が大切なのだと思いました。

しかし、カンダタのように自分の最後のチャンスを目にすると、欲を出してしまうのもまた人間だと思います。

ある意味非常に人間らしさが描かれている作品であり、自分の人生とも照らし合わせたいと感じました。

蜘蛛の糸のあらすじ・考察まとめ

地獄で苦しみ、最後の救いのチャンスを手にできなかったカンダタ。

そんなカンダタを、お釈迦様は極楽に相応しい人間だと考えたのでしょうか。

なぜ、救いは頼りない蜘蛛の糸という形だったのか。

人間が抱える善悪の心や、本当の悪は何なのかを考察したい方はぜひ読んでみてください!

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