あらすじ 森見登美彦

恋文の技術のあらすじとネタバレ 読書感想から考察まで徹底解説/森見登美彦

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オーディオブックの魅力や使い方を徹底解説

あなたは最近、誰かに向けて手紙を書いた記憶はありますか?

今はメールやLINE、電話で連絡することが主流なので、手紙を書く機会はほとんどないですよね。

私は今回の年末年始、久しぶりに年賀状を書きました。

引っ越しをしたことを知らせるためでしたが、返ってきた返事の中で、学生時代の恩師や友人の近況を知ることができて、とても嬉しく思いました。

この記事では、そんな“手紙”や“文通”を題材に取り上げたユーモアあふれる作品、森見登美彦作「恋文の技術」を紹介します。

あらすじやネタバレから、感想・考察まで徹底的に解説していきます。

「恋文の技術」とは?

この小説に書かれているのは、主人公や登場人物が誰かに宛てた手紙です。

色んな事件が起こりますが、物語はその手紙を読むことで進行していくという一風変わった形式で書かれています。

京大出身である作者の体験が基となっていると思われる、赤裸々な男子学生の日常など、作者特有のユーモアあふれる文章が読む私たちを楽しませてくれます。

作者名

森見登美彦

発売年

2009年

ジャンル

書簡体小説

時代

現代

森見登美彦のプロフィール

森見登美彦(もりみ・とみひこ)

1979年、奈良県生まれ。

京都大学農学部を卒業し、その後大学院で農学研究科の修士課程を修了しています。

2003年、在学中に執筆した「太陽の塔」で日本ファンタジーノベル大賞を受賞し、デビューしました。

大学院を修了後は、国立国会図書館に勤務しながら執筆をしていた経歴があります。

そして、2007年には「夜は短し歩けよ乙女」で山本周五郎賞を受賞しました。

この作品は、後の2017年に、シンガーソングライターの星野源さんが主人公の声優を務め、アニメ化されています。

森見登美彦の代表作

主な作品は、「四畳半神話体系」「夜は短し歩けよ乙女」「有頂天家族」「夜行」「熱帯」などです。

ジャンルとしては、ファンタジーやホラーです。

京都が舞台となっているものが多く、作者の母校である京大もたびたび作品中に登場します。

そういった作品は、作者の京都生活時代の体験がもととなっています。

独特のユーモア溢れる語り口が特徴で、作品中に作者本人が登場人物のひとりとして登場することがあります。

恋文の技術の主要登場人物

守田一郎

主人公。京都から能登へクラゲ研究をしにきている。文通武者修行をしようと思いつく。

谷口誠司

能登の実験所の先輩。主人公を叱り、謎の液体を飲む。以前、京都の研究室に在籍していた。

小松崎友也

主人公の友人。小太りでマシマロみたいにふわふわしている。主人公に恋の相談をする。

大塚緋沙子

京都の研究室の先輩。美人だが、後輩をいじめて面白がる傍若無人さがある。

まみやくん

主人公が家庭教師をしていた小学生の男の子。新しい家庭教師の「マリ先生」が気になっている。

森見登美彦先生

主人公の学部生時代のクラブの先輩。駆け出しの作家で締め切りに追われている。

守田薫

主人公の妹。高校3年生で、受験生。兄に対して時々するどい指摘をする。

伊吹夏子

主人公の思い人。主人公と同じ大学の研究室に在籍していたが、今は就職して大阪にいる。

恋文の技術の簡単なあらすじ

主人公・守田一郎は、研究のために京都から能登の地へ来ており、「文通武者修行」と称して京都の友人知人へ手紙を送りはじめます。

気軽にはじめたことでしたが、手紙を送るうちに文通はなかなか忙しいものとなります。

研究が嫌になった主人公は、能登から一時帰京します。

能登へ戻った主人公は、先輩・大塚さんとパソコンと実験ノートを巡る攻防を繰り広げますが、勝負は敗北を喫します。

思い人である伊吹さんへ恋文を書くよう要求されますが、主人公は書くことができません。

一度は諦めてしまいますが、大文字山での催しを思いつき、最後に、その会に伊吹さんを誘う手紙を書くことができたのでした。

恋文の技術の起承転結

【起】恋文の技術のあらすじ①文通武者修行のはじまり

京都の研究室の教授より命を受けて、主人公は能登の臨海実験所へ来ています。

実験所の先輩・谷口さんには怒られ、研究はうまくいかない毎日。早く京都へ帰りたいと願っています。

あまりの寂しさから、「文通武者修行」と称して、京都の友人、知人へ向けて手紙を書くことにします。

まず主人公が手紙を送ったのは、親友である小松崎。

彼は小太りでマシマロみたいにふわふわしていて、主人公へ恋の相談をします。

主人公は色々とアドバイスを送りますが、小松崎は相手に阿呆な詩を贈ろうとしたり、「まずは情報収集すべし」という主人公の言葉を鵜呑みにしてストーカー寸前の行動をしかけたり、花を贈ったはいいが彼女がアレルギーだったりとなかなかうまくいきません。

極めつけには、なんとか祇園祭の宵山で彼女に会うことができたものの、彼女に置き去りにされて「インドに逃げたい」と言い出す始末。しかし、なぜか恋は成就します。

意外な結末にあっけにとられ、親友との文通をここでやめてしまうのでした。

次に手紙を送ったのは大塚さんでした。京都の研究室の先輩ですが、後輩に無理難題を言って面白がるところがあります。

主人公は大塚さんから伊吹さんの近況を聞きます。彼女は学部を卒業して就職し、大阪で元気にやっているとのこと。そして、新しい恋人がいるといいます。

伊吹さんのことが気になる主人公は、「伊吹さんの新しい恋人とはどんな野郎ですか。後学のために知っておくのも悪くない。」と遠回しに聞こうとします。

大塚さんが言うには、伊吹さんはその恋人に夢中だという。

主人公は彼女の幸せを願おうとするが、どうにも受け入れられません。

そんな中、伊吹さんに恋人がいるというのはドッキリでした、という内容の手紙が来ます。

怒りに燃えた主人公は、「いずれこの恨みは晴らしてやる」と誓って、手紙の筆を擱きます。

続いて手紙を送ったのは、京都で家庭教師をしていた教え子、小学生のまみやくんです。

最近、まみやくんは、新しい家庭教師のマリ先生のことが気になっている様子。マリ先生の周りに現れる小太りの男が先生を付け狙っていると思っているようです。

しかし、手紙の内容から、その小太りの男は小松崎であることが判明。小松崎の思い人はマリ先生だったのです。

マリ先生を宵山に誘い、ラブレターを渡そうと考えている様子のまみやくんに主人公は感心します。しかし、小松崎がマリ先生とうまくいったので、まみやくんはラブレターを渡すことができませんでした。

主人公は、落ち込むまみやくんに「きみは見どころがある」と言います。

そしてまみやくんが早く元気になるように願って、手紙を終えたのでした。

【承】恋文の技術のあらすじ②能登を抜け出して京都へ

また次に手紙を書いたのは、学部生時代にクラブで一緒だった、先輩の森見登美彦氏でした。

主人公は、文筆で活躍している森見氏に、どんな美女でも籠落できる「恋文の技術」の教えを請います。

しかし返ってきた返事は、「恋文を書く技術はない。ただ真心をこめて書くのみ」というものでした。主人公はがっかりしてしまいます。

実験勉強の毎日が心底嫌になった主人公は、能登を抜け出して京都へ戻ることを決めます。

「まずは森見さんのところへうかがいます。」と書いて手紙を終わりました。

そんな中、「君とは長い付き合いだが、もう文通はやめる。さようなら。」と書いて文通をやめたはずの小松崎から手紙が来ます。

その内容は、うまくいったはずの彼女とスマートに付き合うことができず悩んでいる、というものでした。

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オーディオブックの魅力や使い方を徹底解説

「君は彼女のおっぱいのことしか念頭にない。」

「まず、その状態から抜け出せないことには、落ち着いて彼女をリードするなどという高等技術が、君の身につくはずがない。」

と指摘すると、主人公もびっくりするほど「おっぱい」という言葉が書かれた赤裸々な手紙が返ってきます。

思ったよりも思い悩んでいる友を見かねて、主人公は再びアドバイスをしますが、うまくいきません。そこで、ひとつのアイデアを思いつき、京都で実行することにしたのでした。

【転】恋文の技術のあらすじ③京都での事件、大塚さんとの攻防

そのアイデアとは、「拡大化」という手法でした。

「我々の手に余るぐらい拡大化すれば、それはもう何がなんだか分からなくなり、おっぱいであることの意味を失うだろう。」と考えます。

京都に戻った主人公は、研究室で中間発表のときに使っているプロジェクターで小松崎とそれを実行します。

しかし、その場を森見登美彦氏が引き連れてきた「大日本乙女會」の面々に目撃されてしまいます。

大日本乙女會は、小松崎の彼女である三枝さん、主人公の思い人の伊吹さん、主人公の妹の3人であり、森見氏の本の読者から成るサークルでした。

一時帰京は悲劇と化し、主人公は「なんという夏であろう。」「俺に悪気はカケラもなかった。俺はただおっぱいから自由になりたかっただけ―――。」と嘆くのでした。

能登へ帰った主人公は、再び大塚さんに手紙を送ります。

その手紙は、「伊吹さんの件で私を弄んだことへの報復」として、京都へ戻った際に、修士論文執筆中の大塚さんのパソコンを持ち去ったことを示す「犯行声明」でした。

しかし、一枚上手の大塚さん。主人公のパソコンと実験ノートも能登から持ち去られており、主人公は慌てます。

「いつの間にこんなところまで?」と不思議に思いますが、このままでは明日からの実験に支障が出てしまいます。大塚さんに急いで返してくれるよう頼みます。

「まず自分のパソコンの在処を教えろ」と要求されますが、主人公は「私が教えたからと言って、あなたが私のパソコンと実験ノートを返してくれる保障がどこにある。」と主張します。

「大塚さんがまず、教えてください。」と懇願すると、大塚さんは在処が能登鹿島駅の駅舎内であることを教えてくれます。主人公は無事、パソコンとノートを取り戻すことができたのでした。

しかし、強気に出た主人公が、大塚さんのパソコンの在処を教えるつもりはないと表明すると、再びパソコンとノートが消えてしまいます。

主人公は途方に暮れて「反省しております。」「パソコンと実験ノートの在処をどうかお教えください。」と言うが、大塚さんはなかなか教えてくれません。

在処を教えてもらうために、大塚さんからの要求を飲むことになった主人公。「一、恋文の技術を開発します 二、伊吹さんを元気づける会を開きます 三、伊吹さんに恋文を渡します」と約束するのでした。

要求を飲んだものの、「本当にパソコンと実験ノートを返してくれるだろうか」とうなだれているところ、谷口さんに呼び出されます。

「鬼軍曹から何か鉄槌が下るのではないか」とびくびくしながら行くと、谷口さんは「悪かったな」と主人公のパソコンと実験ノートを返してくれます。

主人公は驚きますが、すべては谷口さんと大塚さんを結びつけることで、謎が解けるのでした。

大塚さんとの激闘はここで終わり、主人公は正式に京都へ帰還することになります。

【結】恋文の技術のあらすじ④伊吹さんへ、大文字山への招待状

主人公は再び森見登美彦氏へ向けて手紙を書きます。

京都へ行った際、大塚さんのパソコンを預け、「森見さんのお手元に預けたパソコンは、この交渉の切り札です。くれぐれもご注意ください。」と頼んであったものの、森見氏は大塚さんへパソコンを返してしまうのでした。

主人公は「責任取れ」と嘆き、森見氏に恋文の技術を伝授してくれるよう言いますが、森見氏はただ「熱い情熱で彼女のハートを鷲掴み」と言うのみです。

仕方なく、大塚さんからの要求を遂行するために、伊吹さん宛てに手紙を書き始めますが全くうまくいきません。

書けば書くほど恋文とは何なのか分からなくなり、主人公は書くのを諦めてしまいます。

しかし、谷口さんが主人公の送別会として和倉温泉へ連れて行ってくれ、はじめて色々な話をする中で、「やっぱり最後にもう一度恋文を書こう」と思います。

主人公は、妹へ向けても手紙を書きます。京都での事件を目撃して、「お兄ちゃんには絶望しました」と言う妹でしたが、同時に兄のことを心配している様子。主人公は、万事うまくやっているとアピールしますが、最後に「将来については皆目分からんという状況である」と正直に告白します。そして主人公は能登を去っていくのでした。

伊吹さんへ恋文を書きはじめた主人公は、数々の失敗を重ねた結果、

「一、大言壮語しないこと。」
「一、卑屈にならないこと。」
「一、かたくならないこと。」
「一、阿呆を暴露しないこと。」
「一、賢いふりをしないこと。」
「一、おっぱいにこだわらないこと。」
「一、詩人を気取らないこと。」
「一、褒めすぎないこと。」
「一、恋文を書こうとしないこと。」

と教訓を記し、もう一度恋文を書こうとするのでした。

再び主人公は、まみやくんへ手紙を書きます。

マリ先生への恋が叶わず落ち込んでいないか心配していた主人公でしたが、まみやくんは夏休みを楽しく過ごせているようでした。

しかしやはり、小松崎にやきもちを焼いたりと、マリ先生のことが気になるよう。

マリ先生にもう一度挑戦しようとするまみやくんを心配して、「先生はあまりおすすめしません」と言いますが、まみやくんはマリ先生に告白してしまうのでした。

マリ先生が家庭教師をやめてしまい、落ち込むまみやくんに、主人公は再び「きみがもっと大きければ、先生ときみはいい友達になれたのではないだろうか」「なぜなら君は見どころのある少年だからだ」と元気づけ、手紙を終わります。

主人公は、大文字山から赤い風船で、宛名のない手紙を書いて飛ばすという催しを思いつきます。そして登場人物たちは、各々が思う人物へ向けて、その会への招待状を書きます。

主人公も、伊吹さんへ手紙を書きます。

四月からの文通を巡っての出来事を書き、最後に「十月十一日土曜日の午後二時、大文字の火床でお待ち申し上げます。」と手紙を締めくくったのでした。

恋文の技術の解説(考察)

タイトルである「恋文の技術」とは物語の最後の手紙にもあるように、あえて「恋文を書こうとしない」ことです。

「伝えなければいけない用件なんか何も書いていない。ただなんとなく、相手とつながりたがっている言葉」を書く方が、相手に伝わることもある、というのが作者の持論なのではないでしょうか。

何でもない用件の手紙が、いちばん嬉しかったりしますよね。

ちなみに、大団円での各登場人物の大文字山への招待状は、すべて主人公が代筆しています。

読み手はもちろん本人達が書いたものだと思って読みますが、主人公から小松崎宛ての手紙の中でそのことが判明します。

ちょっとしたどんでん返し、半年間で鍛えられた主人公の見事な文通の腕を見ることができます。

恋文の技術の作者が伝えたかったことは?

作中で「教訓を求めるな」とも書いていますが、“手紙を書く”ことの楽しさを伝えたかったのではないでしょうか。

「用事があれば電話すりゃいいだろう。なんで手紙なんか書くんだ」

「意味はないですよ。意味はないけど、僕は書くんだ」

という主人公と谷口さんのやり取りや、

「相手に話しかけるように手紙を書いていく楽しさであるとか、相手の返事を待っている間の楽しさであるとか、手紙を何度も読み返す楽しさとか。」

「だから今、僕は文通に励むのであります。」

と主人公が初恋の人との文通を振り返る場面などから、それが感じられます。

この作品を読んでいると、作者の手紙や文通に対する愛情が伝わってきます。

恋文の技術の3つのポイント

ポイント①京都の大文字山

「大文字焼き」で知られる京都の大文字山の送り火は、正式には「京都五山送り火」というお盆行事です。

例年8月16日に行われ、まず東山の”大”に火が点り、続いて松ヶ崎に”妙”と”法”、西賀茂に船の形、大北山の”大”(左大文字)、そして最後に嵯峨に鳥居の形が点ります。

「恋文の技術」の作中に登場する大文字山は、東山の”大”を指しており、如意ヶ嶽という山の中腹に位置しています。

山頂まで約4キロ、一時間半ほどで登ることができます。

ポイント②「四畳半神話体系」の中の文通

作者の他作品中にも、文通が登場します。

「四畳半神話体系」という作品の中では、主人公が見知らぬ乙女と文通をする描写があります。

この文通には大変なオチがあって、これもまた面白いのですが、手紙の文字から相手や相手の気持ちを想像することは、手紙の魅力のひとつと言えるでしょう。

ポイント③アニメ「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」から

他に手紙を題材とした作品として、アニメ「ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン」が挙げられます。

元軍人の主人公が、依頼主の代わりに手紙などを代筆する職業に就き、その職を通して様々な経験をしていく物語です。

作中で「手紙なら、伝えられるのです」という主人公のセリフがありますが、この言葉は”手紙”の価値をシンプルに表しています。

直接は伝えることが難しくても、手紙であれば伝えることができる。

それが”手紙”というものの価値なのではないでしょうか。

恋文の技術を読んだ読書感想

「文通武者修行」「大日本乙女會」「方法的おっぱい懐疑」「恋文代筆ベンチャー企業」など、作者特有の言葉選びがされた文章が、読んでいてくせになります。

内容もさることながら、作者の書くユーモア溢れる文章を読むこと自体がとても面白い。

世の男子学生たち皆がそうではないと思いますが、男子学生の日常の赤裸々な描きっぷりに思わずくすりとしてしまいますし、なんだか微笑ましくも思えてきます。

また、マリ先生への思いが叶わず落ち込んでしまうまみや少年に、主人公が書いた手紙の段では、年下の小学生の男の子ではありながら、主人公がまみや少年のことを心から尊敬して「君は見どころのある少年だ」と励ます言葉に感動させられてしまします。

物語の終盤では、主人公と登場人物たちが手紙を通して心が少し近づく様子がとても印象的でした。

そして、最後の伊吹さんへの手紙の中で、社会人になろうとする伊吹さんに「伊吹さんだって、『乗り出したくないなあ』と思うこともあるだろ?」と言う主人公の言葉に、「でも、『やむを得ぬ!』」と答えた伊吹さんの言葉に、感心して今でも憶えていると書く主人公からは、伊吹さんへの尊敬の念と、思いを感じさせてくれます。

作中では大文字山の会がどうなったかは描かれていませんが、主人公の恋が良いものになればいいなと思わず願ってしまう、そんな作品です。

恋文の技術のあらすじ・考察まとめ

「恋文の技術」はユーモアある文章を通して、手紙や文通の面白さや、楽しさを伝えてくれます。

読み終わった時には、宛て先は分からずとも、なんだか誰かへ向けて手紙を書いてみたくなる、そんな作品だと思いました。

電話もメールもLINEもある中で、あえて手紙を書くというのも、たまには良いですよね。

近年は、コロナウイルスの影響で、会いづらくなってしまった人もいるかと思います。

もし、この本を読んで「手紙って良いな」と思ったならば、心に思い浮かんだ人へ向けて手紙を書いてみるのもいいかもしれませんね。

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