今や、ドラマや映画でも大人気な医療系作品!
その原作は本であることも多く、医療ミステリーから医療現場の問題を扱った作品まで様々な小説があります。
しかし、医療小説がたくさんありすぎるがゆえに、どれを読んだらいいのかわからないという方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、薬学部卒の私がおすすめする、今読むべき医療小説を10冊ご紹介します!
おすすめの医療小説10選
おすすめの医療小説①チーム・バチスタの栄光/海堂 尊
おすすめポイント
- 主人公と相棒の掛け合いが面白い
- 難解な手術の臨場感がすごい
- 病院内の人間関係やその内面、苦悩などが丁寧に描かれているところも魅力
あらすじ
大学病院の天才心臓外科チームが行うバチスタ手術中に、不審な術中死が多発する。
病院長の依頼により解決に乗り出すのは、外科の門外漢である不定愁訴外来担当の田口医師。
なぜ術中死は起こったのか・・・医療過誤もしくは誰かによる意図的殺人なのか。
厚生労働省の問題児、白鳥も加わり調査は進む。
事件の謎に迫る医療ミステリー!
おすすめの医療小説②悪医/久坂部 羊
おすすめポイント
- 医師と患者、どちらの苦悩も描かれていてどちらにも感情移入しやすい
- 余命という過酷な現実を目の当たりにしたとき、自分がどうするかを考えさせられる
- 余命に対する医師の切実な思いが余すところなく表現されているのも見どころ
あらすじ
外科医である森川は、胃がん再発の患者である小仲に治療終了を告げる。
衝撃を受けた小仲は、森川に見捨てられたと病院を去ってしまう。
果たして、治療をしない医者は本当に悪医なのか?
なぜ森川は小仲に治療終了を告げたのか?
末期がん患者に対する森川の真摯な思いと葛藤、本当に患者のためになる医療とは何なのかを考えさせられる作品。
おすすめの医療小説③閉鎖病棟/帚木 蓬生
おすすめポイント
- 精神科病棟のリアリティーを目の当たりに出来る
- 患者同士のヒューマンドラマにもひき込まれる
- 淡々とした語り口に、著者の患者への愛情があふれている
あらすじ
とある精神科病棟では、様々な事情を抱えた患者たちが生活している。
家族からも世間からも疎まれ、見放された彼らは、それでも毎日を明るく生きようとしていた。
しかし、その平穏な日常は、突如起こった殺人事件によって壊されてしまう。
なぜ彼は犯行を犯したのか。
そしてその理由を知る他の患者たちのとった行動とは?
おすすめの医療小説④サイレント・ブレス 看取りのカルテ/南 杏子
おすすめポイント
- 患者と医師のやり取りが心温まるヒューマンドラマ
- 終末期を迎える患者たちのそれぞれの抱える思いに思わず涙する
- 脇役の看護師のキャラが魅力的
あらすじ
水戸倫子は、大学病院からむさし訪問クリニックへの左遷を命じられる。
そこは、「最期の時を自宅で迎える患者」のための訪問診療クリニックだった。
助けられない患者たちを目の前に、倫子は無力感に襲われる。
しかし、患者たちの思いと、その死に秘められた謎を目の当たりにして、倫子の終末期医療に対する思いは変わっていく。
おすすめの医療小説⑤デザイナーベイビー/岡井 崇
おすすめポイント
- 不妊治療や遺伝子といったまさに旬の話題が分かりやすく読める
- 医療小説としても、警察小説としても楽しめる医療ミステリー
- 次々と起こる事件により展開が読めないストーリーにドキドキさせられる
あらすじ
城南大学病院で起こった、たった生後3日の女児誘拐事件。
厳重な新生児室から、誰がどうやって生まれたばかりの赤ちゃんを連れ去ることができたのか。
その後、病院長のもとに身代金要求の電話がかかってくるが、これは事件のほんの始まりにすぎなかった。
なぜ犯人は赤ちゃんを誘拐したのか。
女の子は無事、両親の元へ戻ってこれるのか、展開の読めないドキドキのミステリー!
おすすめの医療小説⑥無痛/久坂部 羊
おすすめポイント
- 次々と変わっていく状況に、その後の展開が気になってどんどん読み進めてしまう
- 医療だけでなく、刑法という側面からの問題提起で社会問題も考えさせられる
- 一筋縄ではいかない登場人物たちのやり取りにも注目
あらすじ
神戸のとある住宅街で一家四人殺害事件が起こる。
現場には凶器や子供用の帽子、大人用の靴など様々な遺留品があったが、捜査は難航する。
そんな中、1人の精神障害児の少女が、自分が犯人だと告白した。
彼女は本当に殺害を犯したのか。
見るだけで患者の病気が分かるという医師は、果たして犯人を追い詰めることができるのか。
おすすめの医療小説⑦「神様のカルテ」/夏川 草介
おすすめポイント
- 主人公の患者に対する真摯な思いがまっすぐに伝わってくるストーリー
- 登場人物たちのユーモアあふれるやり取り
- 地方医療の厳しさを描写しながらも、柔らかく軽快な語り口のハートフルストーリー
あらすじ
「24時間365日対応」という過酷な病院で、日々患者と向き合う内科医の栗原一止。
そんな彼に、母校の大学病院から戻ってこないかという誘いがかかる。
大学病院に戻れば最先端の医療を学ぶことが出来る。
しかし、他の病院に見放された患者たちと真摯に向き合うことのできる今の病院を去ってしまってもいいのか。
悩む一止の背中を押してくれたのは、終末期のがん患者だった。
おすすめの医療小説⑧「ノーフォールト」/岡井 崇
おすすめポイント
- 様々な事情を抱える患者たちの物語にも注目
- 産婦人科で起こっている現状が非常に臨場感のあるタッチで描かれている
- 医師たちの「患者を救いたい」という熱い思いに心打たれる
あらすじ
城南大学病院の女性産科医である柊奈智は、深夜の当直で容体が急変した妊婦に緊急帝王切開を行った。
子供は無事に生まれたが、原因不明の出血多量により、母親は亡くなってしまう。
母体死亡という最大の悲劇にショックを受ける奈智に追い打ちをかけるよう、遺族が訴訟を起こす。
過酷な状況の中、奈智が下す決断とは?
おすすめの医療小説⑨白い巨塔/山崎 豊子
おすすめポイント
- 大学病院で起こる権力闘争による登場人物たちのやり取りが秀逸
- 半世紀前の作品とは思えない、色褪せぬストーリー展開
- 人物が詳細に描写されているので、リアルに感じる関係性や会話も見どころ
あらすじ
浪速大学の第一外科助教授の財前五郎は、次期教授の座を狙っている。
一方、財前の同僚である第一内科助教授の里見脩二は、患者第一の考え方で、財前の態度に懸念を抱く。
また、野心家の財前を心快く思わない第一外科教授の東は、財前を教授選で敗北させるため画策に乗り出す。
あらゆる工作を用いて教授戦を勝ち抜こうとする財前の結末は?
おすすめの医療小説⑩がん消滅の罠 完全寛解の謎/ 岩木 一麻
おすすめポイント
- ミステリーとして楽しみながら、がん治療についても学べる
- 二転三転する展開が気になりどんどん読み進めてしまうストーリー展開
- 登場人物たちの過去や心の葛藤など、ヒューマンドラマとしても魅力的
あらすじ
日本がんセンターの医師である夏目は、生命保険会社に務める友人の森川から、がん患者の不正受給の可能性を指摘された。
夏目から末期がんと宣告された患者たちが、給付金を受け取った後も生存しているというのだ。
しかも、その後の病巣は消え去っているという。
末期がんの完全寛解は可能なのか、夏目は同僚の羽鳥とともに調査を始める。
おうち時間は読書を楽しもう!
医療小説は、実際の医療従事者が著者のことも多く、リアルな現場を描写しているものも多数!
病院に行ったことのない方などいないほど身近なのに、実態がよくわからないことも多い医療現場。
この機会に、小説を読んで理解を深めてみてはいかがでしょうか。